ソフィアが光とともに霞んでいく……。
「いままでありがとう。お姉ちゃん。
私が消えるのは仕方ないことだから、
悲しまないで。ずっと大好きだよ。」
「嫌だ!!消えるな!!
お前まで失いたくない、ソフィア!!!!」
プリムラは、それまで溜めてきた全ての魔力を行使し、
イレッサ・リフリウムへ向けて魔法を発動した。
その瞬間、環境の自動制御が追い付かないほどの衝撃と爆風が、
雲を割き、海面へ大穴を空けるようにして直線状に走った。
その速度は、光速を凌駕していた。
爆発の規模は凄まじく、のちにその爆発は
魔女プリムラによるものとして、
世界中に知れ渡ったのだったーー。
やがて、エネルギーは緩和し、ゆっくりと二人は静止した。
イレッサ・リフリウムへ到着したのだ。
暗闇と静寂の中、紫色の眩い光が輝いている。
ーー聴こえるか、ソフィア……
ーー見えているか、ソフィア……
ーー返事をしてくれ……
ーーお前が居なくなったら、私は、どうすれば良い……
ソフィアが居たから、今まで生きてこられた。
何よりも大切な家族であり、妹だった。
それなのに、肝心な時に私はソフィアを守れなかった。
私は今まで、何のために力をつけてきたのだ。
何のために生まれたのだ。
ーー私は絶対に諦めないーー。
ーー絶対に、希望を捨てない。
「必ず、ソフィアを取り戻す。
待っていてくれ、ソフィアーー」
桃色だった髪の毛は、魔物の漆黒へと染まり、
深紅の眼差しは真っ直ぐに地上へ向けられた。
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